5千年の歴史を誇る曳家工事

こんにちは。営業部の山口です。
昨日、近所のスーパーに買い物に行ったところ、いつもの週末より買い物客が少ない気がしました。お盆休みで旅行や帰省など、皆さんお出掛けなのでしょうか?

突然ですが「曳家(ひきや)工事」ってご存知ですか?
8/8付日経新聞夕刊に「弘前城大移動_400トン天守『曳家』し石垣修理」という記事が掲載されていました。

弘前城(青森県弘前市)といえば桜のトンネルで全国的に有名ですが、このたび天守の土台部分である石垣を修理するため、天守を解体せず曳家して移動する工事が来週(8/16~)から始まるそうです。

曳家工事とは文字どおり、建物や橋を引(曳)いて移動したり、回転させたりする工事です。例えば、土地区画整理等で建物を移動したい、陽当たりが悪いので建物の向きを変えたい、歴史的な建築物や貴重な文化財等をそのままの姿で移動して保存したい等々、建物を壊さずに移動するときに用います。

一般社団法人日本曳家協会が発刊する「家が動く!曳家の仕事」によると、移動は水平方向だけではなく、なんと18mの崖をよじ登らせた例もあるそうです。東日本大震災で陸に打ち上げられた船舶もこの曳家の技術で海に戻したとか・・・

さらには2003年(平成15年)の旧首相官邸(現首相公邸)改修工事では、総重量約2万トンの建物を東に8度回転させるとともに、南に約50m移動させるという曳家の技術をフル活用した大工事だったそうです。

この曳家の技術は古代エジプト文明ですでに応用されており、クフ王のピラミッド工事でも大いに用いられたそうです。その技術は「てこ」と「ころ」の原理を用いたものですが、当時の職人さんたちがまさか5千年後の建築工事に使われるとは夢にも思わなかったでしょう。

今週からお盆休みとなる企業も多いです。東北地方に行かれる予定の方は弘前城天守の曳家工事に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
(下記は曳家工事のサンプル画像です)

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